玉川上水日記

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映画「世界最速のインディアン」

世界最速のインディアン
2005年 / ニュージーランドアメリカ / 監督:ロジャー・ドナルドソン / 実在の人物を題材にした映画、ロードムービー


「夢を追わない人間はキャベツと同じだ!」
イカれたおじいちゃんに「余生」という言葉はなかった。

【あらすじ】
ニュージーランドの小さな町で年金暮らしを送るバート・モンロー(アンソニー・ホプキンス)の夢は、アメリカのボンヌヴィル塩平原で行われる大会で、バイクの世界最速記録に挑戦することでした。そのために朝からバイクの改造に明け暮れます。近所迷惑な人だよ。

【感想】ネタばれなしです
アンソニー・ホプキンスは変人の役をやると本当にピッタリですねえ。頑固で、言いたいことをズケズケ言って、でもみんなには好かれています。誰も彼の「世界記録を出す」という夢を信じていませんが、隣家の子供だけは信じてくれます。この子が本当にかわいい。

誰か一人が信じてくれさえすれば、それだけで前に進めるのかもしれません。いい子じゃー。名前がわからないよ。アンソニー・ホプキンスがこの子の面倒を見ているのじゃなくて、この子が彼のお守りをしています。

で、アメリカに到着してから行く先々でいろんな人の世話になりながら、ユタ州の大会会場を目指します。この映画は、出てくる人の大半が善人です。彼の周りに善人が多いというよりも、彼の性格が周りを善人にしてしまうというか。彼はとても魅力的で、多くの人が彼のために何かをしてやりたい。そう思わせる力があるのだと思う。

他人を否定しないために自分の意見を明確にしないということがありますが、それだけではいけないのかもしれない。彼のように「わしはこういう人間じゃ!」と、自分の意見を明確にしたほうが、相手も納得するところがあるのかも。そこで起こる衝突は、もはやしょうがないという。

主人公の、六十歳を超えても世界記録に挑戦しようという情熱もすばらしいのだけど、それに加えて彼の魅力的な人柄が心に残る爽やかな作品でした。お薦めです。

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