玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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隣の道

▼ご飯が少しいたんでいたがチキンライスにして食べてみた。夏に毎年やっているが、ちょっといたんでいる物を食べ続ければ、いつかは抵抗力がついて平気になるのではないかと思っている。

結果、お腹が痛い。みなさまにお伝えしたいのは、腐った物を食べるとお腹が痛くなります。気をつけて!

もうね、おまえは日記を書くなという。

▼この顔、そして効果音‥‥。音を出して観てください。


サラエボ事件を取り上げた番組をヒストリーチャンネルで観ました。
サラエボ事件といえば、1914年にオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子夫妻がサラエボを視察中、セルビア人の青年プリンツィプによって暗殺され、これを契機に第一次大戦が勃発する。

学生の頃に授業で聞いた内容だと、上の説明ぐらいしか憶えていない。この番組でも、ヨーロッパの政治情勢の複雑さなどは取り上げておらず、なぜ皇太子殺害が行われたかは、わたしにはわかりませんでした。ただ、観ていて興味深かったのは、ほんの少しのことで歴史が動くということだった。

この日、暗殺グループ7人は皇太子夫妻がオープンカーでパレードをしているところを襲撃しようとする。一人目の暗殺犯メフメトバシッチは照準が定まらず引き金を引けない。二人目の暗殺犯チャブリノヴィッチは手榴弾を投げつけたが、爆発までの計算を間違い、夫妻の乗った車ではなく後続の車が被害にあった。

チャブリノヴィッチは失敗を悟り、毒物を飲んで川に投身自殺を図るが警官に身柄を拘束される。毒物は古かったか、致死量に足りなかったか、死に至らなかった。他の暗殺犯は、爆発音を聞いて持ち場を離れてしまう。市庁舎に到着した皇太子夫妻は、爆発で被害を受けた後続車両に乗っていた者を見舞いに病院へ行くことにする。

暗殺犯たちは、チャブリノヴィッチが捕まったことを知り動揺する。(wikipediaだと、暗殺が不成功だっとことをこの時点で彼らが知っていたかは不明となっています。)暗殺犯の一人、プリンツィプは、ここでサンドウィッチを買いに行きます。このときどういう心境だったのだろう。たんに「お腹すいたな」と思ったのかもしれない。

で、市庁舎から引き返してきた皇太子夫妻を乗せた車は、運転手が交差点で道を間違い、違う通りに入ってしまう。ちょうどそこに、サンドウィッチを買いにきたプリンツィプが出くわし、皇太子夫妻をピストルで射殺してしまう。これをきっかけとして第一次大戦へ突入していく。

もし、という仮定は無意味だが、このとき運転手が道を間違えなければ暗殺グループは目的を達成できなかったかもしれない。だが、彼が道を間違えず皇太子が暗殺されなかったとしても、違うきっかけで第一次大戦は行われたかもしれない。それとも行われなかったのだろうか。

この運転手の氏名は番組では明かされていなかったが、彼は戦死者・行方不明者合わせて二千万人近くを出すことになったこの戦争をどのように見たのだろうか。もちろん、彼はただ道を間違えただけで、それ以上の責任はない。ただ、あのとき道を間違えなければ、今とはまた違った世界になっていたのだと思わずにはいられない。ほんの少しのボタンの掛け違えで歴史は動いていくのだろう。