玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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便利

▼今はなんでもweb上にデータが蓄積されている。今回PCが壊れたとき、その便利さを実感した。インターネットをするのにgoogle chromeというwebブラウザを使っている。PCが壊れて、ブックマークやRSSに登録したものが全部飛んだと思っていたが、データはweb上に保存されており、復旧するのにほとんど手間がかからなかった。

chromeをインストールしてログインしたら、すぐにすべてのブックマークが復活した。便利な反面、わたしがどんなサイトをどれぐらい見たとか、そういったデータはすべてgoogleが掌握しており、マーケティングデータに使用されるということになる。ま、いいんですけども。

でね、PCが壊れて新しいPCを買って、その新しいPCが初期不良でショップに持って行きました。店員がその不良箇所を再現するのに、PCを立ち上げたところ、わたしのお気に入りがズラーッと並ぶわけです。サムネイルの小さい画面で8サイトぐらい並ぶ。chromeって、そういうサービスもするから。頼んでないのにするから。

で、いっそアダルトサイトとか出てくれればいいんです。その前日にどういうわけか、猫の動画を集中してみており、「猫ねこ動画」とか猫のサイトが、ずらーっと出た。8サイト出た。さっきまで、わたしは一丁前のことを言っていた。「どうやら有線接続のケーブルを繋いだときにだけ不具合が発生するから、ドライバの問題じゃないですか?」とか。

猫サイトが並ぶ画面を目にしたときの店員の表情がこわばった。必死に笑いをこらえているような。「なんか偉そうなこと言っときながら、おまえ猫のサイトしか見てねぇじゃねえか、ウケル!」とか思ってそう。思ってるにちがいない!コロス!

店員の蔑むような視線が痛い。「いや、友だちが猫が好きで、それでね。えへへ‥‥」という嘘をつこうとしたけど、それもかえってみっともない。それからはお互い必要なこと以外は口をきかず、不具合の再現を試みました。web上にデータを蓄積するのって本当に必要なんでしょうかね。わたしは疑義を呈したい。呈したいニャー。

▼そういえば以前、同僚から少し変わった話を聞いた。彼女が付き合っていた男がおり、彼女の家の鍵を渡していた。別れることになったとき、鍵をなくしたと言って、返してくれなかったという。

もう話すのも嫌だったし、ほうっておいた。しかし、どうもその別れた男が彼女の家に無断で入っている気配がする。物の配置がなんとなく違っているようなのだ。で、ある日、彼女がPCを立ち上げてAmazonのサイトに入った。

するとお薦め商品のところにグラビアアイドルの写真集がズラズラ出てきた。Amazonは閲覧者の情報を蓄積して、その人が好きそうな商品や関連商品を表示するプログラムが有名である。それを見たときに、男が入り込んでいるのを確信したそうである。きっと、なにげなく彼女のPCをたちあげてAmazonでいろいろ見てしまったのだろう。

これはとても重要な教訓である。われわれストーカーとしては是非気をつけたい。みんなも気をつけて!