オオカミ少年
▼痛風ということで打ち合わせを欠席した。お世話になっている会社に連絡したものの、体の不調を信じてもらえなかったのが悲しい。いくらわたしが「足がちぎれそうに痛い」と伝えても「またまた~」とか「そんな大げさな」と取り合ってもらえない。日頃のわたしの言動のせいなのだろうか。
なんと言いましょうか。わたくし、オオカミ少年さんの気持ちがわかりました。かわいそうになあ。きっと「オオカミが来たぞ~」と村人に助けを求めているのに、誰にも相手にされず苦しみながらオオカミの餌食になってしまったんだろうなあ。バカな村人どもめ~!(逆恨み)
あれは実に涙なしでは読めない物語。オオカミ少年さんの命日である4月1日は、供養として必ず嘘をつかねばならない日となりました。
会社に連絡したところ、隣席のTさんが出た。
わたし:今日の打ち合わせ欠席したいんだけど。
Tさん:えーと、打ち合わせって経営戦略会議のほうですか?
わ:そんなの出てたっけなあ。なんかね、お茶飲みながら売り上げがあがらないのをよその部署のせいにするやつ、なんだけど。
T:そんな会議はありません。1時半からのですか?
わ:そう、それ。
T:経営戦略会議ですね。
わ:そっかー。あれ、そういう名前だったんだ。
T:なんだと思ってたんですか。
わ:お茶を飲みながら売り上げがあがらないのをよその部署の‥。
T:もういいです。痛風の具合、どうなんですか?
わ:それがね!足がちぎれそうに痛いの。
T:え~。またまた~。そんなこと言って全然元気そうですよ。
わ:本当だって!もう、本当に死ぬんじゃないかってぐらいで‥‥、あっ!
T:なんですか?
わ:今!まさにね、死ぬとこだった‥‥。あーぶーなー!
T:おおげさ‥‥。声聞いてるとものすごく元気そうですけど。
わ:いや、これがね、元気そうに見えて死にかけているというか。足がちぎれるか、ちぎれないかぐらいの瀬戸際。
T:へー。大変ですねー。ちぎれたら連絡くださいねー、面白そうだから。じゃあ、また~。
どうですか。この冷血ぶり。夏はクーラーとかいらないんじゃない?節電ですなあ。
そしてわたしは痛風の痛みを信じてもらえない苦しみを、オオカミ少年に重ね合わせて同情するのだった。オオカミ来てたのにねー、あんまりじゃないか。
あの、でもちょっと気になるんだけど、オオカミ男は「オオカミになってしまう男」とか「オオカミみたいな男」だと思います。そうすると「オオカミ少年」は「オオカミみたいな少年」でなければならない。でも、「オオカミ少年」が指す意味は「オオカミに食べられた少年」である。これは間違っている!
そういうのどうでもよくない?をお送りしました。
▼そんでね、病床六尺という具合に動くこともままならぬ日々でしたが、ただ痛がっているのも時間の無駄なので、知人から借りたSPECというドラマを観終わりました。久しぶりにドラマを観たなあ。超能力刑事物ですね。ギャグが入っているジョジョの奇妙な冒険みたいな感じでしょうか。そういうのが好きな方はいいかも。