玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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靴下

▼友人夫婦の家にお邪魔。友人夫婦の子ター坊(小学三年)のマイブームは、ワサビ醤油らしい。小学三年らしからぬ趣味。学校から帰ってくるなりいそいそと小皿に醤油とワサビを混ぜ合わせ、箸でペロペロ舐めているらしい。なにそれ。ほとんど妖怪じゃないですか。

当然、健康に悪いので親からは禁じられている。しかし、親の目を盗んで密かにやっていることもあるらしい。戦中は、徴兵逃れのために醤油を飲む(体調が悪くなる)ということが行われたと聞いたことがあるがそういうことでしょうか。どういうこと?

▼靴下に穴が空いたことに気づいた。脱いだ靴下をゴミ箱に入れようとした。だが、これは本当に捨てていいのだろうかと思い直す。子どもの頃から現在まで何も考えずに穴が空いた靴下を捨ててきた。靴下というのは3足1000円で売っています。ということは1足333円である。

裁縫箱を探してきて靴下を繕うのに1時間かかってしまっても、わたしの人件費が時給333円以上ならば買ったほうがよいということにはなる。そんな理屈はどうでもよろしい。そりゃ、お金のうえではそうかもしれないんだけど、やっぱり何かおかしい気がする。まだ直せば履けるのにね。

外で履くのにツギハギだらけだったらみっともないものの、家で履くぶんには十分である。どうも物を粗末にしすぎるなどと書けば、ずいぶん年寄りじみているが、そう思ってしまうのだからしかたない。日記を書く時間があるぐらいなら、靴下を繕うこともできるはずである。こうしてわたしは靴下を繕うことにした。

しかしですよ、ツギハギだらけの靴下がブームになる可能性もあると睨んでいる。かなりあさっての方向を睨んでいるようだが、その可能性はある。なにせダメージ加工のジーンズがある。あれは新品なのにわざわざ傷をつけて売っている。昔の人からしたら「頭おかしいのか?」と言われる。よって、ツギハギ加工の靴下ブームもないとはいえない。わたし、これはかなり流行を先取りしたのではないか。300年ぐらい先を行った。

だけど、仮にツギハギ加工の靴下ブームが来たとしても、そのときに売られる靴下は新品のツギハギ靴下なのだろう。やはり世の中はどこか狂っている。

なにこの気味の悪い終わり方。こわーい。

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