▼駅前のソバ屋がつぶれてしまった。実に愛想のない店主がやっているソバ屋だった。会社の人からは「なんであんなソバ屋に行くの?」と言われていたが、わたしは別段愛想がないのは気にならない。たまにはそういう店があってもいいと思う。
で、そういう店はえてして味が良いのだが、ここはそうでもない。愛想は悪く、味も普通以下である。行く意味がない。注文してもわかってんだかどうなのか、返事をしないときもある。店主は、接客業をしないために生まれてきた男である。ああ、接客業をしないために生まれてきた男よ、永遠に。
出ました。変な終わり方。
▼石川啄木の「一握の砂」を見かけたのでパラパラとめくっている。なんだろうね、啄木はずいぶんと死にたがっている。死への憧れすら感じる。自殺しなかったのが不思議なくらいである。そして、とにかく金がないんですね。貧しさを詠んだものも多い。
実務には役に立たざるうた人(びと)と
我を見る人に
金借りにけり
べつにこんなの詠まんでもいいじゃないかという、みっともない歌が面白い。嫌だったんだろうなー。このプライドの高さと悲しさがいいですね。
一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと
ちょっと尋常じゃないよ。
▼昔からわからないのが服の値段である。同じデザインでもなぜS・M・Lの値段が同じなのだろう。食べ物や飲み物は当然大きいサイズが高い。本来なら少し高いはずのLサイズの服の料金は、本来なら少し安いはずのSサイズの人が負担しているのだろうか。Sサイズの人ありがとう。いつもありがとう。何もわかってないLサイズの連中に代わって、Mサイズのわたしがお礼を言いましょう。
Lサイズのやつらに一つ貸しを作った。