玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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油の帝国 ネコ

▼友人夫婦の家にお邪魔する。友人夫婦の子ター坊(小学校2年)は食事中だった。両親はとっくに食べ終わっている。箸は動かしているが食事がちっとも進んでいない。よく見ると、豚汁の表面に浮いている丸い油の塊の境界を箸で切って繋げている。この遊びは小さい頃にわたしもよくやっていた。

油を切って繋げて、巨大な油の帝国を作り世界の王になったところで、はじめて豚汁を飲み干すのである。皿を洗ってるおかあさんから、「もう、いいかげんにちゃんと食べなさい!」と注意された。

「……うん、待って、待って……、もう少しで世界ができあがりそうなの。あと、ちょっと……」

「いいかげんにしなさい!食べ物で遊ばないの!」

「……うん。あ……、できた!」

お椀の中には虹色に輝く一つの巨大な泡ができていた。その成果に満足したのか、ター坊は豚汁を飲み干した。わたしたちの世界も創造主の気まぐれで作られて、それはほんのささいな遊びでしかなくて、この油の塊のように創造主の気持ちが満たされればたやすく壊されてしまう程度のものかもしれない。

わたしたちは、そのほんの一瞬の時を生きているだけなのだろうか。などと書けば、なにやら壮大な話になってまいりました。実のところ、豚汁で遊んで怒られただけの話。

▼とものり君と消しゴム

顔が大きいネコを折った。けっこう難しいです。ター坊は、「とものり君」と名付けた。親しい友人の名前を付けるというのはどうなのでしょう。そもそも、ネコだし。

ター坊が、「もう一匹、とものり折って!戦わせて遊ぶ!」と言った。ひょっとして、とものりが嫌いなのか。

とものりの折り方はこちら↓

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