玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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卑屈君

▼テレビなどで、レンズが大きくてフチが太いメガネをかけている女の人を見かけます。アラレちゃんみたいなやつ。あれってかわいいのかなあ。レンズが小さくてフチも細いやつのほうがいいと思うんだけど、どうなのでしょう。

おまえの好みなんて知ったことか、をお送りしました。

▼お世話になっている会社に、ちょっと変わった人がいる。

「僕なんてどうせ駄目ですから……」が口癖の人である。そんな卑屈君(30歳ぐらい)であるが、なぜかわたしにはよく話しかけてくれる。

「この会社はリアルが充実したやつばかりであまり馴染めませんが、しゅんさん(わたし)は僕と同じ臭いがします!」

いや、そういう好かれ方ってどうなんでしょう。どうなんでしょうねえ。そんな卑屈君は、やるとへこむ遊びというのをたびたび教えてくれる。今、彼がはまっているのがフェイスブックで知人を検索し、その知人の生活の充実ぶりを見て、自分と引き比べてへこむという遊びである。また、そんな卑屈をこじらす遊びをよく開発するものである。

友人の多さ、女友達の多さ、趣味やサークル活動の充実ぶり、学歴や職歴、ありとあらゆるものに嫉妬するらしい。だが、もっともへこむのが、捏造とはいわないまでも微妙に都合のよいように経歴を変えているケースだという。

たとえば、学校を二部卒なのに一部卒と見てとれる書き方をしていると、その人のコンプレックスが透けて見える。また、プロフィールの「尊敬している人」の欄に「今まで出会ったすべての人」などと書いているのを見て「うわー、気持ちわるー!人からどう見られたいか計算してるのがミエミエ。クケーッ!」と奇声をあげるという。重病である。まあ、気持ちはわかるんですけども。

でも、もっとも気持ち悪いのは、そうやって人のプロフィールを密かに検索してあれやこれや言っている卑屈君自身だと思う。知り合ったあらゆる人をストーキングしている。全方位ストーカーではないか。それを伝えたところ「そうなんですよ~!もう、自分で自分のことが気持ち悪くて、嫌で嫌で!でも、こんなことみんなに言ったらますます嫌われるし。しゅんさんなら、同類だから絶対わかってくれると思って!」

はははは、厚い信頼。同類なのかなあ。そうなのかなあ。えらい人に見込まれてしまった。今後、卑屈君からのメールは迷惑メールに分類します。
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