玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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中日 落合監督の交代について

▼野球を観ない人にとっては実にどうでもいいことですが、来期の監督人事について中日球団が落合監督と契約を結ばないことを発表しました。加えて、現在のコーチ陣(森繁和辻発彦小林誠二、高木宣宏、田村藤夫石嶺和彦笘篠誠治、高柳秀樹、奈良原浩垣内哲也、勝崎耕世)とも契約を更新しない旨を発表した。

なんとももったいない話だなあというのが、このニュースを知ったときの感想だった。落合監督の実績は言う間でもない。以前に日本一を達成したのが1954年天知俊一監督のときであり、実に半世紀以上たってようやく2010年に落合監督が日本一を達成した。去年までの監督成績はAクラスから一度の転落もなく、3度のリーグ優勝、1度の日本一に輝いている。

これほどの成果をあげながら契約の更新がない。落合監督は成績は良かったが周囲の受けは良かったとは言えない。常々「勝つことがファンサービス」と口にし、マスコミにコメントを出さないからマスコミ受けも悪く、采配や選手起用に疑問を持つファンも少なくない。球団からの評判も良くなかったと言われている。

中日は落合が指揮を執るまでは、勝ったり負けたりというか、優勝争いに絡むことはあるがなかなか優勝できないという時代が長かった。Bクラスでシーズンを終えることも多く、そうなるともう野球自体を観なくなってしまう。今のように優勝争いをするのが当然というのは、ものすごく幸せな状態なのだけど、そのことにファンや球団が慣れてしまったのかもしれない。

西武の森監督が常勝軍団といわれる西武を作り上げたものの、その野球がつまらないと酷評され球団を追われている。どうしても、このときの状況と現在の落合監督の状況が重なってみえる。なぜ成績に申し分のない落合監督を切ってまで、高木さんを迎えなければならないのだろう。勝利にこだわるのなら落合を使い続けるべきである。球団は、中日が黙っていても優勝できるチームだとでも思っているのだろうか。

中日の打率はひどく、最下位の横浜ですら.240なのに、中日は.228である(10/15現在)。他の5球団に大きく水をあけられている。投手陣の頑張りはすごいが、こんな打撃成績で首位にいるというのが信じがたい。これは最下位になって当然の成績である。

加えて選手の高年齢化が気になる。荒木・井端も衰えが出ておかしくない年齢であり、谷繁・和田・岩瀬のベテランはよくやっているものの引退は遠くないはずである。もちろん浅尾・平田・大島などの若手の台頭はあるが、それほど戦力が充実しているとは言えない。

落合が指揮を執ってから当たり前のように勝ち続けてきたが、余裕をもって戦えたということではなく常に全力で走り続けてきた結果でしかない。簡単に勝ってきたわけではない。来年以降が本当に心配である。来年は今年までの蓄積でAクラスになれるかもしれない。だが、再来年以降はどうかというと甚だこころもとない。

落合監督が中日のOBではなく他球団のOBばかり使うというのも、今回の人事の原因の一つと言われている。実際に今回契約を見送られたコーチ陣をみると、わずかに奈良原が中日で1年プレーしたのみで、他のコーチは中日でプレーした実績をもたない。だからこそ良かったのである。コーチ陣をOBで固めて仲良しこよしの同窓会チームにしてしまうのではなく、優秀な人材なら外部から招聘して重用するのは当たり前である。そんなのどこの企業でもやっている。

せっかく優秀な人材を集めて勝てるチームを作り上げたのに、よってたかって台無しにしようとしている。いったい勝つことに、優勝にこだわらないで、何にこだわるのだろう。面白い采配といってもBクラスに低迷してしまえば、結局ファンは野球を観ないだろう。たしかに落合の采配、選手起用はファンの望むものと違うことがよくある。

もちろんその采配のすべてが正しいということはない。間違っていることもあるだろう。成績がまったくあがらない謎外人グスマンを使い続けたのも本当に納得がいかない。だが、それでもチームとしては結果を出している。ほとんどオール5に近い成績の子が、一教科だけ1や2だったして、それがなんなのか。そこを責め立てているようにしか見えない。

結局、采配や勝利などどうでもよいのかもしれない。球団にしてみればコーチ陣もそうだが落合も外様なのだろう。生え抜きの中日のOBを監督にしたいというのが本当なのではないか。だから、落合の後に高木を据え、正直なところ高木監督が成績をあげられなくてもよい。そこそこでかまわない。次に立浪を起用したとき、落合と直接比較されないことを気にしているように映る。どう考えても落合以上の成績をあげることは難しい。

わたしも中日ファンなのでもちろん立浪ファンである。いつかは立浪監督が実現すればという望みはある。ただ、ここまで中日を強くした落合監督、コーチ陣をほとんど追い出すような形の人事というのはどういうことだろうか。恩を仇で返すような中日球団の体質というのが疑問である。

監督やコーチは成績が上がらなかったらすぐにクビになる。では、この人事を行った球団幹部は来季成績があがらなかったら責任をとって辞めるのだろうか。とてもそんな覚悟があるとは思えない。結局こんなことまでして守りたいのは、中日出身という血のようなものか。それによって、勝利を失うとしても。

 

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