▼猿の惑星:創世記(ジェネシス)の宣伝をよく見かける。小学生の頃に猿の惑星(初代)をテレビで観て、 そのラストシーンにとても驚いた。映画って面白いと意識したのは、それが最初だと思う。ということで猿の惑星シリーズにはやはり期待してしまう。
今回は宣伝をサッカーの澤穂希選手がやっている。その宣伝で「マイベストムービーです」とコメントされていて、やはり有名人は大変だなと思った。澤選手がそう思っていないということじゃなくて、引き受けたからにはやはり褒めなくてはいけないだろう。
以前に何かの試写会に友人と二人で行った。そして上映後にインタビューを受けた。CMで観客がよく「○○サイコー!」とか「感動で涙が止まりません」とか言っているものがある。まさしく、あれと同じ状況だった。
友人がレポーターに引き止められて感想を求められた。
「最高のマグロを獲ってきて、最高の握りを期待していたら、どういうわけかツナ缶が出てきた気分です」と答えた。いやあ、もう、あのときの現場の空気の悪さはすさまじかった。大気汚染とはこういうことかと思った。友人は、レポーターを置き去りにしてスタスタ歩いていってしまった。人からどう思われようと気にしない人なのだ。
次にわたしにマイクが向けられた。わたしはなんとかフォローしようとがんばった。
「えー、なんというか、可もなく不可もなくというか……、ま、あのー、とても迫力のある演技で、でもちょっと脚本に粗が見えないこともないというか……」
などと煮え切らない話し方をしていたら、レポーターはわたしを置き去りにして次の観客のほうに行ってしまった。ちょっとー、まだ、話してんのに!一応、気を遣ってたから煮え切らないのに!
つまんなかったです!すごく!
鼻血が出るほど!
友人とわたしのコメントは、その後テレビCMで大々的に流れたのである。というわけもなく「○○サイコー!」というありがちなやつが流れてました。そりゃそうである。
サービスとして「○○サイコー!」ぐらい言ってもいいのかもしれないなあ。寿命が縮まるわけでもないんだし。ただ「人生観が変わりました」などという宣伝を目にすると、映画一本で変わってしまう今までの人生とはなんだったのかと思い「たはー」という気分になる。たとえ、最高の映画を観ても、手放しに最高とは言わないような気がする。
「ふむ。なかなか……」とか言いそう。もう誰にも頼まれていない部分で、変に見栄を張っている。こういう頑固さを抱えたまま、僕は生きていくのであろう。完。
出ました。大げさな終わり方。
べつに日記をやめるわけではありません。
▼猫にからむ熊