玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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七夕

▼七夕前日、友人夫婦の家にお邪魔する。

七夕の笹が大量にあるというので、分けてもらう。友人夫婦の子ハナちゃん(小学校4年)が書いた短冊を見る。

「織姫と彦星が、ちゃんと会えますように」

なにこれ。こーゆーこと書いちゃう、かわいいわたしアピールか。小4にして、いやらしい女の部分が!このアピールで、父親に新しいWiiのソフトを買わせようと思っているのではないか。「これ、本心?」と聞くと「ウフフフ」と含み笑いをした。末恐ろしい。

同じ子どもでも、小学校2年のター坊は「毎日、カレーがいい」というアホ丸出しのことを書いてたのに。アホは安心する。

ハナちゃんの父親である友人の短冊は「みんな健康で過ごせるように」と書かれており、素朴で実に彼らしかった。奥さんの短冊は「家を買う」だった。えーと、それは織姫と彦星に言うことなのか。願い事というかダンナに向けての宣言であり、圧力である。

それについて友人に訊ねると「デリケートな問題だから、絶対に触れるな」と言われる。なんですか、七夕はいつから駆け引きの場になってしまったのか。織姫と彦星も泣いています。そうです、その涙があの美しい天の川なのです。

なにこの鬱陶しい展開。

▼お世話になっている会社にも笹があり、みな願い事を短冊にしたためていた。

「いい恋がしたい」とか「プロジェクトがうまくいくように」とか、いろいろである。わたしも、一枚もらって書いた。願い事というのは、自分のことを願ってはいけないというのを聞いたことがある。なので、「みんなの願いがかないますように」と書いた。

書いた直後に、「偽善者」とか「気持ち悪い」とか吊るし上げられる。

あれだな、君らの心は汚れきってるな!東京の夜空に星が見えない理由がわかりますか?なぜならそれは、あなたたちの瞳が曇りきっているからです!

まあね、もっとも鬱陶しいことを書いたら優勝!という気持ちで書きましたから。本望ですけど。望んでの討ち死にですけど。