玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ゴーヤ 完全犯罪

▼今週から急に蒸し暑くなってきた。今年は猛暑でしょうか。

昨年、ゴーヤのカーテンをやったんですが、効いてんだか効いてないんだか、よくわかんないまま夏が終わってしまった。ゴーヤの実は、時間がたつと鮮やかなオレンジになりました。今、調べてみたらオレンジに熟したゴーヤは苦味が薄まり、甘さが増して食べられるとあります。ヨーグルトに入れて召し上がる人もいるようです。

誰かがねえ「オレンジになったゴーヤは毒がある」とか、言ったんですよ。それで捨てちゃった。もったいないことをした。

毒があるとか、適当なこと言って!許せない!アイツだけは絶対に許せない!

って、そのアイツが誰だかわからない!

もう、ボケ老人じゃからのう。バアさん、入れ歯~。ワシの入れ歯どこ~?

なに、この変な終わり方。まあ、ほら、暑いから。

この季節は、なんでもかんでも暑さのせいにすれば、だいたい許してもらえると聞いています。

▼先日、 友人夫婦の家にお邪魔した。蒸し暑い日だった。友人(ター坊の父)とター坊(小学校二年)、わたしの3人で買い物に行くことになった。3人で汗だくになってスーパーに行き、買い物を終えた。

スーパーの横にはソフトクリームの屋台が出ていた。ター坊は、お腹が弱いのか虫歯対策かは知らないが、アイスは一日一つという約束らしい。その日の分は、もう食べ終わっていた。だが、父親のほうが暑くてたまらなかったのだろう。

「アイス食べようか。お母さんには黙っておけよ」

ター坊は、よっぽど嬉しかったのか、ソフトクリームを選んでいる間「アイス~♪ アイス~♪ お父さんに買ってもらったアイス~♪ 早く食べたいな~♪」と、即興で歌いだした。ソフトクリームができるのを待っているときに、半開きの口からよだれが垂れてきた。

「おい!よだれ!よだれ!」と、指摘しても「あ~、うん‥‥」と、完全にソフトクリームに心を奪われている。これだけ一つのものに心を奪われるって、大人はないかもしれない。出来上がったソフトクリームを美味しくたいらげた。

帰り道、父親から、絶対お母さんに言うなよと念を押された。ター坊は、ちょっと悪そうな顔で微笑んだ。

「完全犯罪だね」

いろんな言葉を憶えて、着々と成長しているのだなあ。この前は、「業務用」という言葉を憶えたのか、やたらとそれを使っていた。わたしの財布を指して、「ねえ、それ、ギョーム用?」と言ったんだけど、財布は業務用とかあんまりないと思います。

あまりの暑さに、フラフラになって帰宅。ターボ坊は、お母さんから「アイスとかオヤツ、買わなかった?」と聞かれても「なんにも買ってないよ」と、うまくとぼけていた。完全犯罪成立である。そして、買ってきたものを台所の下に入れるのを手伝っていた。ご機嫌だったのか、自作の歌を口ずさみだした。

「アイス~♪ アイス~♪ お父さんに買ってもらったアイス~♪ 美味しかったアイス~♪」

椅子から、ずり落ちそうになった。アホである。自分から犯行を告白してどうする。即ばれて、父親ともども叱られていた。一緒に犯罪はできないなと思いました。

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