玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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フルーツバスケット

▼友人夫婦の家にお邪魔した。友人夫婦の子ハナちゃん(小学校4年)と話す。学校のレクリエーションの時間にフルーツバスケットをやったそうである。椅子取りゲームの親戚みたいな遊びである。クラス投票の結果、決まったらしい。

ハナちゃんはちょっとませているせいか「あんな子どもみたいな遊びやりたくないよ」と不満げだった。子どもなのに。「大人は多少納得いかないことがあっても黙ってつきあうもんだよ」と言うと、「ほー!これはこれは一本取られましたな!」と自分のおでこをペシッと叩いた。

昭和のオッサンである。学校で浮いてないだろうか。「課長」とか「加齢臭」とか、変なあだ名つけられてないか心配。

レクリエーションの時間にみんなが「ドッジボール」とか「フルーツバスケット」と言っている中、一人だけ「芸者かコンパニオンでも呼んでパーッとやりますか?」とか言い出しそうだ。夕方になって帰る時間になると「わたしはそろそろこの辺でドロンします」と忍者のポーズを決めているはず。

お土産にプリンを買ってきたけど、次は割きイカと焼酎にします。

▼1929年世界恐慌当時、デパートでは店員による商品の盗難が増えたそうである。店側は透かし鏡を設置したり、監視員を雇って店員を監視したが盗みは減らなかった。店員が反発してしまったからである。

そのときベルンハイムデパートでは違った取り組みをした。正常な減耗率(在庫が盗難・破損・紛失などにより減ること)を想定した。半年ごとの棚卸しでその減耗率を下回った売り場には特別賞与を出し、さらに商品券などを支給した。

すると減耗率は一挙に下り、正常な減耗率とされたものよりはるか下の値まで下ってしまった。売り場ごとの自主的な取り組みが進んだためらしい。

このアイディアの優れているところは減耗率を下げただけではない。監視を厳しくすれば同じ効果をあげられたかもしれないが、そのやり方で店員は自分の店に愛着を持てなかっただろう。従業員は責任感を持って課題に取り組んで、監視される以上の成果をあげた。

「従業員一人一人が経営者のように考えてほしい」とよく経営者は口にするが、じゃあどうやってそう考えてもらうかというとなかなか難しい。このアイディアは一度にいくつもの問題を解決してしまった。もちろん、現代で、この方法がそのまま使えるということではない。問題の形はその時々により異なる。ただ、優れたアイディアは、一度に複数の問題を解決することがある。

という話を読みました。なんだろう、こういう童話なかったっけ?「注文の多い料理店」だったろうかと思ったが「太陽と北風」だった。あっちは猫に食われそうになるのだ。
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