玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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良き人でいたかった 涼宮ハルヒの消失

▼ネットに繋がらなくなった。

電話でプロバイダに確認したところ、プロバイダ側の問題だった。修理の人に来てもらったがとても丁寧だった。お客さんと接する仕事は、特に向こうに過失がある場合は大変だろうなと思う。彼の説明とお詫びを聞き、モデムがある部屋に通した。

インフラなどは正常に機能しているのが奇跡だと思っているので腹も立たないが、やはり頭に来る人は多いのだろう。わたしの住んでいるマンション全体のネットが落ちたらしく、他の住人にはずいぶん怒られたらしい。わたしが怒っていなかったようなので安心して、つい愚痴ってしまったのだろう。

ほっとして部屋に入った彼に言わなければならなかったのは「すみません。そこら辺に画鋲が何個か落ちています」ということだった。

いや、わざとじゃなく。嫌がらせとかじゃなく。

ほら、修理に来るっていうから部屋を掃除したんですよ。そうしたらもらったカレンダーが出てきて「あ、カレンダーかけとこ」と思ったから画鋲の箱を出してきて‥‥あとはわかるでしょ。おっとっと‥‥あっ!ドバーって。画鋲がそこらじゅうにドバーってなった。もちろんすぐに片付けたけど、どこかに画鋲がまだいくつか落ちているかもしれない。

もうね、彼の顔が不信感でいっぱいに。

なんだその目は!

「やった!このお客怒ってない」って思ったのに、実はすごく陰湿なヤツで部屋に画鋲をまいてましたみたいな。アホか、そんなことするか。

ワシはただのドジっ子じゃ。

なんかこう不信感がありありなんだよなあ。そりゃ、わたしが悪いけど。しかし、こう不信感をあらわにされると、わたしも何か期待に応えないと悪いような気もする。陰湿なヤツを演じなければという使命感を感じる。

お茶ぐらい出そうかと思ったけどそこに雑巾の絞り汁を入れるとか、彼の靴の中に画鋲を入れるとか、修理を待っている横でにこやかに包丁を研ぎだすとか。

まあ、大人しくしていました。

涼宮ハルヒの消失 劇場版 / 2010年

アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」を観終ってからのほうがシナリオがいかに練られているかわかる。ちょっと観るのは大変だけど。

だが、それすらこの映画のための長い長い伏線でしかなかったのではないか、そう思わされるほど見事なシナリオだった。

長門のあまりにもほのかな恋心。いや、ほのかに見えてそれは世界の形を変えてしまうほど強いものだった。「涼宮ハルヒの消失」というより「長門有希の憂鬱」というタイトルが浮かんだ。他のアニメから頭一つも二つも出ている。お薦めです。

 

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