玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ハナちゃん相談室

▼友人A子からメールが来ていた。
「仕事に、い!き!た!く!な!いっ!」
なんとも力強いメールである。行きたくない感が凝縮されている。
「そんなことより、お!な!か!す!い!た!」とでも返せばいいのか。どうも40点ぐらいの答え。
今、100点の答えを探し中。そのまま面倒になって寝るだろうから、結果何も送らず0点とみた。
みた、じゃなく送れよと思います。思いますけどもー。

▼友人夫婦の家で鍋。食後に、友人夫婦の子ハナちゃん(小学校3年)が紙にマジックで何か書いていた。それを三角柱の形に折り曲げテーブルの上に置く。「ハナちゃんそうだんしつ」と書かれている。

「相談あるひとー!」と大人たちに声をかけるが誰も返事をしない。皆、あーでもないこーでもないと別の話をしている。と、スタスタとわたしの横にやってきて「相談あるひとー。相談あるひとー」と叫び続ける。しようがなく「はーい」と答える。

「なにかなー?なにかなー?特別に聞いてあげるから話してみなさい」
なにこの、おもしろめんどくさい生き物。

特に悩みもないのだけど、この前の忘年会でちょっと考えさせられた。幼なじみの友人たちとは1年に1度か2度会う。でも、会ったときに何かこう会話がしっくり噛みあわず、ズレのようなものを感じる。

お互いが違う方向を向いて成長してきているし、興味の対象も違っている。共通の話題を探すとなると、どうしても何度もしている思い出話になりがちだ。別々の生活を送っているのだから、一緒に仕事をしている人間とのほうが話が合うのは当たり前かもしれない。

問題なのは、お互いがお互いに対する関心をもうあまり持てなくなっていることだろうか。どうやったら、うまく相手に関心を持ち続けられるのかな。それが悩みといえば悩みである。それをハナちゃんに話した。

ハナちゃんはしばらく腕組みをして考えた後、台所に走っていった。
「おかーさーん、しゅん君が人生に悩んでるー。話聞いてあげてー」
ズコーっ!てなった。おまえが解決するんちゃうんかーい!とニセ関西人になった。まあ、小学生に全力で相談したのもまずかろうよ。