玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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卒論

▼ちょっとここ二週間ほど、缶詰に近い状態で仕事をしておりました。更新しない間、来ていただいた方すみませんでした。励ましのメールをくれた方ありがとうございました。いないけど、そんな人。誰からも必要とされてないけど。

さみしいことを書くなという。

仕事のほうは、つつがなく終了。その仕事をしたときに、データ入力をお願いするためにバイトを何人か雇いました。

そのうちの一人が大学生でした。何日間かいっしょにいると、世間話などしてそれなりに親しくなります。彼は現在、大学四年なので卒論を書くのに苦労をしているらしい。で、その一生懸命書いた卒論を提出したものの、教授はその卒論をちらっと見ただけでほとんど内容も見ずに突き返したらしい。

彼はわけがわからず、理由を教授にたずねても、怒っているのか何も答えてくれなかったという。ちょっとわたしに見てくれないかと、カバンから卒論を取り出した。いやいや、わたしが見ても素人だし何もわかんないけどと断ったが、第三者の目から客観的に見てもらいたいというので、やむなく見ることになった。

その渡されたA4サイズのレポートを客観的に見た結果ですね、えーと、これ、あの‥‥あれー?フォントサイズがねえ20ptぐらいある。普通の文字の2倍以上の大きさの文字が並んでいる。横に10文字ぐらいしか並ばないんじゃないのか。

「文字でかっ!」

「あれ?わかります?」

「わかるわ!そりゃ、教授怒るって」

「教授がかなり歳だから、目がつらいかと思って」

「なにそのちょっと親切をアピールした感じ。

というか、行数稼ごうとしただけでしょ。

この文字の大きさなのにペラペラの卒論て‥‥」

「あ。ばれました?そうなんですよ。

でも、よく改行とかで文字数を稼ぐってあるじゃないですか?あれセコイと思うんですよねー」

オマエが言うな。

その結果がこれか。ま、いさぎよいですけど。いさぎよいバカですけど。

先生も大変だなあ。そりゃ口きいてくれなくなる。なんなら暴力を振るってもいいと思う。どうぞどうぞ。