赤い羽根
▼赤い羽根募金というものがある。
子どもの頃に、ボーイスカウトで無理矢理やらされていた。最初は恥ずかしく、蚊の鳴くような頼りない声で募金をお願いしているのだが、やがて慣れるとどうでもよくなって声も出てくる。そして、自分が一番募金を集めてやろうと、みょうに張り切りだすのである。一日で一人、三、四万ぐらい集まったと思う。今はこの景気なので、もっと少ないかもしれない。
いろんな人がいるもので、５円１０円を募金していくお年寄り、会社で配らないといけないので千円あげるから羽根を多めにくれないかというスーツ姿の男性。一万円入れて、羽根はけっこうですと言い、去っていった中年の女性。実に、粋である。
当然、僕らの間では「あのおばちゃん、かっけー！」ということになった。
今年も赤い羽根の季節が来た。
