▼バスの中、一番後ろの座席に座っていた。小学校3,4年ぐらいの男子が二人、乗り込んできた。隣に座った彼らは熱心になぞなぞを出し合っていた。有名なスフィンクスのなぞなぞである。「朝4本、昼2本、晩3本、これなあに」というやつである。答えは人間である。
赤ん坊が四つん這いから成長して二本足になり、老いて杖を使い三本足になる。聞いていても、なかなか答えが出ずにヤキモキする。
A:答えは‥‥車!
B:おしいっ!
おしいのか、それ。全然違うような気がする。
A:ヒントをくれ。
B:ヒントは‥‥生きてます。生き物。
A:じゃあ‥‥テーブル!
ヒント聞いてんのか。アンタの家、どんなテーブル使ってんだと思う。
どうにかこうにかスフィンクスという答えにたどりついて感心する少年A。
A:人間か!すげーなー。そのクイズ、自分で考えたの?
B:そう!
A:帰ったら、親に出してみよう。
B:それはやめて!
A:なんで?
B:‥‥。考えるの苦労したし、これは二人の秘密にしときたい。
A:わかった‥‥。
なに、その変な会話。わたしも混ざりたい。
二人の秘密を、どうしようもない日記に書いてすみません。