玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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暗号解読 サマーウォーズ

▼久しぶりの図書館パトロール。略してトパロール

パロール1個450円。

ロールケーキ的な感じで。

脳の検閲なしで書く日か。

パロールの結果、サイモン・シンの「暗号解読」を見つける。新刊出したのかと、喜びのあまり小躍りしたが出版から3年ぐらい過ぎていた。知らなかった。

目的の本棚に直行するのではなく、フラフラしてると、たまにこういうとんでもない当たりを見つけるからなあ。もっと積極的にフラフラしないといけません。

数学の素養がなくても読めます。

サマーウォーズ

友人から連絡があった。彼女と喧嘩したとかで、なんだその話、今聞かなきゃダメなのとか思いつつ聞く。

どうせあれでしょ、結局は「やっぱり、俺にはアイツしかいない。俺は永遠に彼女を愛し続ける」みたいなJポップの歌詞みたいなこと言うんでしょ。

Jポップに何か恨みでも?

Jポップに親を殺されたとか。

ところが聞いてみると、とてもいい具合のケンカであった。不幸にも軽重様々ありますが、健康や人の生死にかかわるとまったく笑えなくなり、また、あまりにも軽いと単なるのろけ話でしかなく、その点、今回持参していただいた一品は、ひじょうに具合のいいもので思わず「それは、ひじょうにいいラインのケンカだねえ!」と感心して怒られた。

映画「サマーウォーズ」のDVDを一緒に観たそうである。鑑賞後、彼女は感動して号泣していたものの感想を聞かれた彼は「ゴミでしょ、これ」と言ったところ、携帯電話で鼻の横辺りを思いっきり殴られたそうである。幸い鼻の骨は折れなかったそうである。

いいなあ、いいなあ。実に適度な不幸である。鼻血ぐらい出れば面白かったのに。

「ははは、まさしくサマーウォーズ!」

そう言ったら、また怒られた。

おかしいな、場所によっては座布団くれるのに。山田くんが2枚運んでくれるのに。

いい大人がケンカするほどの作品ならば、是非是非鑑賞せねば、わたしも血で血を洗う争いに混ぜてもわねばとさっそくDVDを借りて観た。

彼女が号泣した理由も、彼がゴミと言った理由も、わかった気がする。

マニアックな内容を描こうとするなら、細部はより詳細に描かなければならないのに確かに粗が多い内容だった。悪者として描かれるAIが、仮想空間OZの中で何ができて何ができないのかが明確にわからない。

鑑賞後に彼と話した。

彼が作品をけなした理由はわかったものの、ごく常識的な話として、人がいいと言っているものをその人の目の前でゴミと言ったら、そりゃ鼻の横を携帯で「ゴッ!」とやられる。指摘の内容は正しくても、指摘のしかたが悪い。そりゃ怒られる。正しいと思ったら、何を言ってもいいのかという姿勢がなあ。その自分が絶対に正しいという傲慢さが怖い。あんた会社でトラブル起こすタイプだな。

作品の欠点について指摘しただけと言っていたけど、本当に冷静に指摘なんてできんのかなと思う。欠点を指摘しつつも、どこかで「こんな映画がいいって言ってるヤツはバカ」みたいな人格攻撃に移ってしまう。そういうのは言わなくても、伝わってしまうからなあ。

映画の評価なんて、しょうゆ味と塩味どちらが正しいか議論しているようなものだ。それはどちらも正しくて、本人の好みによるとしかいえない。好きに観りゃいいじゃないか。

いや、そうじゃなくて、この映画にはこういう辻褄の合わないところがあってそれについて指摘しているんだみたいなことを言うんだろうけど、その欠点の指摘がねえ、そもそも意味がないように思う。先に、上に書いちゃったけども。冷静な指摘はとても難しいし、指摘して相手を折伏したところでねえ。

純粋な作品の評価についてはされるべきだし、それはまた然るべき相手と他所でやるしかないと思う。

「正義の反対は悪なんかじゃない。また別の正義だ」

野原ひろしという偉い人が言ってましたが、まさしくそのとおりだと思う。どちらが正しいかといえばどちらも正しい。そりゃ、戦争もなくならないよ。映画の好き嫌いでこれなんだから。

飛躍しすぎた。