▼知り合いのマンションにお邪魔した。話も終わり、彼は飼っている柴犬を連れて散歩に出かけると言った。
玄関を出たわたしたちは、下に降りるためにエレベーターを待っていた。
エレベーターが来ると、柴犬は飼い主を引っ張ってエレベーターに乗る。一刻も早く散歩に行きたい様子。エレベーターは音もなく1階に到着し、犬は飼い主を引っ張るようにエレベーターを降りる。
不思議である。
鉄の箱に乗って、扉が閉まる。扉が開いたら、別の空間になっている。
それをごく自然に犬が受け容れている。
「なんで仕組みがわかってんのかねえ?」と犬に聞いても、ハアハア言うばかり。そんなことどっちでもいいから散歩に行こうよ、そう言っているように見える。
僕も、仕組みがわからずにテレビを観て、ネットで日記を書いて、まあ似たようなものである。
違うところは、ハアハア言うか言わないかぐらい。