▼またしても一週間のご無沙汰でした。
先日は、すっかり初夏を感じさせる陽気でした。学校の自習室に勉強しに行ったのだけど、あまりに爽やかな天気だったので、いつもと違うルートで行く。
畑に囲まれ広々とした長い長い一本道があったのですが、そこがねえ、実に気持ちいい。
私の前を、自転車に乗った50歳ぐらいのおっちゃんが気持ちよさそうにママチャリをこいでいく。
誰もいないと思ったのか、両手を翼のように広げて、ブーンて感じで。
そうなんだよなあ。ブーンてやりたくなるような午後だった。
後ろでこっそりやってみたが、たしかに気持ちいい。
私の後ろの人から見ると、オッサン二人が飛行機ポーズで自転車に乗っている図だけど、気にしない。
駅近く、痴漢注意の看板を見つけたが写真撮影を断念。
「痴漢出現中!注意!」というものだった。痴漢出没注意は、よくあるんだけどなあ。
出現中だと、今まさに出てる感が。事件は現場で起こってる感がひしひしと。
人が多く、撮りたい欲が羞恥心に負けた。無念。
▼日本妖怪大全(水木しげる)
西洋の怪物というと、ソンビだとかドラキュラとか狼男、フランケンシュタイン、ポルターガイストなどいろいろ浮かびます。それはそれでいいものの、ちょっと害がありそうなのである。
そこへいくと妖怪はいいです。
なにせ、やる気がないヤツが多い。
やる気がない妖怪としては「あかなめ」なんて人気ですね。風呂桶を汚くしていると、夜中にそのアカを舐めにくる。実害は特になし。「で?その話はそれで終わり?」という妖怪。
このやる気のなさがねえ、たまらないですねえ。
今、わたしのお薦めの妖怪は、竹切狸(たけきりだぬき 本書275ページ)です。
【以下、本文一部引用】
夜中に、山の中の竹薮で、チョン、チョンと竹の小枝をはらう音がする。それからしばらくして、根もとのほうが引き切られて、ザザッと竹のたおれる音がする。
あくる朝、その竹薮に行ってみると、竹を切った跡もなく、何ごともない。昔、兵庫県の山奥でしばしばこんな音がしたと古老の話に残っている。
どうですか、この話。
そもそも狸が出てこない。竹も切られてない。
あと、まあ「それ、風じゃない?」と言いたいわけだが違います。だって古老が言ってるんだもの。
実に「で?」というお話。すてきすぎる。