玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ユニクロさん 蕎麦打ち

▼駅前で女の子二人とすれ違った。

すれ違いざまに「ユニクロさんだよね」「ね~」という声が聞こえた。

わたしか?わたしに言ったのか?

怖くて振り向けなかった。

全身ユニクロっぽい格好をしていたものの、今日のわたしは無印さんだった。断固、ユニクロさんではない。同じようなものだが。

怖いので、すれ違いざまにいろいろ言うのはやめてください。

▼蕎麦を打ちたい。実は蕎麦打ちという趣味に憧れていた。

蕎麦を打ち、それを同級生に振舞う少女がニュースで取り上げられていた。

蕎麦打ちは50歳超えてからの趣味だろうと、勝手にたかをくくっていたわたしとしては先を越された気分だった。小学生ごときに負けてはいられない。

明日、幸いにして家族は出払うのでさっそく蕎麦粉を買ってきて蕎麦を打とうと思う。そういえば、蕎麦を切る際の処刑包丁みたいなやつがないな。あれが欲しい。

なにせ、わたしは形から入るタイプ。

参考書を買ってきたら、それで勉強した気になるタイプ。料理本を買ってきたら、それで作った気になるタイプ。ビリーズブートキャンプを借りたら、初日に脱走するタイプ。

もういいですか。落ち込むので。

明日は、憲法と情報通信、個人情報保護関連を一気に復習しようと思ったが、まずは蕎麦である。

話はそれからだ。

家族が帰って、いきなり手打ち蕎麦が出てきたら、さぞ喜ぶに違いない。

それとも「ちょっとコイツはアレな事になってしまったか‥‥」と思われるのだろうか。

ともあれ、蕎麦を打つ。