玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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人生の黄金期

▼今年はよく雪が降る。といっても、東京に降る雪はすぐに消えてしまう。子どもの頃はもっと雪がよく降った。膝下ぐらいまで積もることもあった。やはり最近は温暖化なんだろうなあ。

小学校の頃、いつも友人二人と一緒に登校していた。皆、団地住まいだった。雪の積もった朝は、一番遅く起きてきたやつの団地の下に集まり、雪玉をこしらえて待ち構えている。遅く起きたやつが慌てて階段を下りてくるところに雪玉をぶつける。朝から雪合戦である。

たいてい、わたしが一番遅いので階段を降りてくる間にたくさんぶつけられる。2階の階段の踊り場は、手すりの雪をすくいとってしまえば、すぐに雪がなくなってしまう。そこで踊り場の手すりを乗り越えて2階の屋根に乗り、弾薬を補給するのだが、外からは当て放題なので滅茶苦茶にぶつけられる。ゴミを捨てに降りてきたおばちゃんに当てて、怒られたりもした。

そんなことを雪が降ったときには必ずやってた。あれやってたから、あの時期は毎日遅刻寸前なんだな。今わかった。

▼久しぶりに友人夫婦の子ター坊に会う。ちょっと見ない間に、また大きくなったような。さすが小学校低学年の成長力。なんと今年、バレンタインのチョコを3個もらい、なおかつその3人から同時にその場で告白されたそうである。同時て。

あれでしょ、僕知ってます。ギャルゲーっていうんでしょう。ハーレム状態っていうんでしょう。そういうの。友人Nがそういうゲームをやっていた。しかし、これを人生の黄金期と言わずして、何を黄金期と言いましょう。

「どの子が好きなの」と母親が聞くと「べつに」と、興味なさそうに答える。「男と遊んでるほうが楽しいし」と、さして嬉しくもなさそう。そうなんだよなあ、その年齢は。だが、おまえの人生において3人の女の子から同時に告白される。これ、なかなか、ないですよ。いや、もう本当にないからな。つか、一生そういうのないから。そこが人生のピークなのです!と力説して、キョトン顔をされる。

まあ、あと15年後に、わたしが言ったことを噛みしめるといい。とりあえず「3人、全部いっとけ」と的確なアドバイスをした。わたしは常に正しい。 
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