玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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逆上がり 内藤×亀田戦

 ▼友人宅訪問

友人夫婦の子ター坊も、いつになくはしゃぐ大人どもに押されて大人しかった。もう7歳になったのだろうか。ちょっと落ち着いてきたようでもある。

それぞれの近況報告。会話の内容が20代のときより鬱屈度が高いようなのだけど、なぜだろう。30代は20代より責任が増したということかしら。40代になるとなんだか楽になりそうな予感もあるが、どうでしょうか。40代の人に聞きたいところ。

ター坊は家にある逆上がりマシーンのようなものでひたすら逆上がり。普段なら誰かが彼にかまうものの、その日は大人だけで盛り上がっていたので、ひたすら逆上がりをしていた。

逆上がりを突然止め、おもむろにスタスタと歩き出した。

と、思うと立ったままいきなり吐いた。

逆上がりをしすぎて吐いた人間を初めて見た。

あまりのことに呆気にとられてしまった。

吐いた後、自分で驚いたのか、ワンワン泣き出した。

「なんでですかー?」

と泣きながら言っていたが、それは自分が誰にもかまってもらえないことについてか、突然吐いたことについてか、どちらなんだろう。

それにしても、なぜ敬語なのだろう。

なんだかとても不器用な大人になりそうな気がする。まるで、わたしのようになってしまいそうだ。将来が心配。

▼内藤×亀田戦

どうやら視聴率がすごかったようである。

平均視聴率43,1%、瞬間最高視聴率51,2%(産経ニュース)不思議な感じがした。

NHKで「坂の上の雲」が始まったので、だいぶこちらに取られると思ったから驚いた。

なんでこんなに視聴率が取れたのだろう。

私のような素人にはボクシングは難しい。パンチの速度が見えないのは勿論だが攻防や駆引きがよくわからないのである。ボクシングは、観る側を選ぶ競技だと思っていた。これはボクシングがつまらないということではなくて、理解できない人が多いからたくさんの人に観られないのではないかという意味で、将棋の番組が視聴率40%を超えないのと同じ意味である。

ちょうど友人数人と見ていたが皆、内藤選手を応援していた。亀田は生意気だから嫌いというのが多かった。内藤選手(謙虚・ベビーフェイス)×亀田選手(傲慢・ヒール)というわかりやすい図が受けたのだろうか。レベルの高いボクシングの攻防など望んでいなくて、ようは生意気な亀田を謙虚な内藤が叩きつぶすのが観たい、そういうことだったのかもしれない。

もう、それ、ほとんどプロレスみたいである。謙虚が傲慢をぶっ倒すところを観てお手軽にカタルシスを得たかったのかもしれない。ネットの掲示板で亀田選手の人格を批難する書き込みは多い。だが、いつからボクシングは強さだけじゃなく、人格まで審査されるようになったのだろう。謙虚な人格者が最も成功した者であってほしいという願いはわかるが、かといって生意気な発言をしたら批難されるというのもよくわからない。

そもそもスポーツとはいえ、相手を殴り倒して最後に立っていた方が勝ちというものなのだから、相手を殺してやるぐらいの心境になって当然ではないか。そこに謙虚さを同居させよというのは無茶な要求に思うのだけど。

そして、自分ではなく、代わりに誰か(この場合は内藤選手)がその生意気なやつを叩いてスッキリしようという神経のほうが異常に思う。

常人にはできないハードなトレーニングで鍛え上げた人間が技術を競いあっているという尊敬はない。今回、事前から周到に準備し、わかりやすい対立図式を用意したTBSには相当頭のいい人間がいるのだろう。頭はいいけど、ボクシングを好きではないのだろう。

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