玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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胎児の見る夢

▼西氏宅にお邪魔。仕事の紹介を受ける。あまり時間がないので引き受けるかどうか難しいところだが、この時代に仕事を紹介していただけるのはありがたい。悩みどころである。
飲み物がなかったので「ちょっと買ってくるから待ってて。本でも読んでいて」と西氏外出。

本といっても、部屋にはなぜか電車の時刻表の本しかない。時刻表トリックでも考えればよいのか。ここだけの話、犯人はヤスである。
 
▼元同僚のTさんと久しぶりに話す。彼女は随分前にオメデタで退社した。今はお腹も少し大きくなり、胎児がお腹の中で動くのがわかるという。彼女が寝ようと横になったとたん、動きだすことが多いという。それって、姿勢が変わったことで胎児が目を覚まし、ムズムズ動くのだろうか。

胎児って、そもそも寝ているのか。寝ているときと覚醒しているときがあるのかな。
「きっと寝たり起きたりしてると思う」女の人にそう言われてしまうと、なんだかそれは絶対に正しいように思えた。

僕らが夢を見るときは、それまでに自分が見てきたものが夢に出てくる。それは映像になっている。でも、まだ何も見ていない胎児が見る夢はどんなものなんだろう。夢など見ないのだろうか。

生まれつき眼が見えない人もいるけれど、眼が見えない人の夢は音声だけで構成されているのだろうか。