玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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余暇出社

▼久々出社。新しい業務担当者に業務の引継ぎ。早く「アイツ、もういらない」と言ってくれる日が来ないだろうか。わたしがこの業務担当者の立場だったら、きっと意地を張って「もう一人で大丈夫だと思います」と、大丈夫でもないのに言ってしまうかもしれない。そんでミスる。

▼過去、社に所属していた元社員二人からほぼ同時にメールが来た。件名がどちらも「まだ、つぶれないの?」だったから驚いた。双子のようなシンクロ率。双子に呪われているこの会社。こりゃ、近々潰れる。
 
▼で、まだ潰れてない会社であれやこれや。元上司二人がいたので久々に談笑。楽し。
二人は、仕事の話を始めたので、すごすご退却。誰も遊んでくれない。ヒマである。ヒマー。
 
▼新しく中国人の女性社員が入っていたので話し相手になってもらう。本当のところは仕事の話なんてどうでもよくて、中国の面白話を聞きたかったのに、職場というのは仕事の話をしていなければ片身が狭い。パンダの話が聞きたいんだ、私は。

今まで入社してきた外国人はだいたい有能だ。そもそも他国で働こうというのだから志も高いし、能力も高い人が多い。少なくとも2カ国語を話せる時点で、僕などはもう負けている。

以前、英語で自己紹介しなければならない場面があった。
「マイ ネーム イズ ‥‥」だけいってみたものの、その後は、全部日本語でしゃべってしまった。ちょっとふざけて英語で名前を言ってみた感じになった。真剣だったのに。ああ、いったい大学までの英語教育はなんだったのか。
 
▼帰りに電車の中で、今の業務担当者からメールが届いた。今日、僕が話していた中国人の新入社員の悪口だった。私や元上司が彼女のことを褒めすぎたので、おもしろくなかったのかもしれない。とはいえ、残念な気分になった。

いくら日本語が上手でPCスキルが高いとはいえ、言葉や文化のハンデはある。違う国で頑張ろうとしている人間を応援してやろうという気はないのか。その業務担当者は早々とあがってしまい、彼女は夜10時近くまで管理画面と格闘していた。「仕事を早くおぼえないと迷惑になりますから」と遅くまで頑張っていた。

帰り道、彼女は「私は中国人だから、日本の会社に入ったらいじめられると思ってました」と言うので驚いた。これが彼女だけの感覚なのか、それとも日本で働く多くの中国人にも、そういう感覚があるのだろうか。

マスコミを通じて多くの負の情報がやり取りされて、実際は会ったこともないのにお互いを嫌いあっているように見える。実際に、自分が嫌な目に遭ったうえで「あいつが嫌い」というのはいい。情報が先行して、中国人という像を嫌いになっているように見える。嫌いという人にジャッキー・チェンブルース・リーが嫌いか聞くと、そういうことはないんだよなあ。

二国間の歴史に不幸な面があったのも確かである。ただ、会社に来ている中国人は責任感が強くて仕事熱心な人が多くて、今まで嫌な人に会ったことはない。それで十分だと思う。
性格が悪い日本人より、性格がいい中国人のほうがいいに決まっている。突き詰めていけば人種も消えて、結局は個人に行き着くだけの話だろうけれど。

人種や家柄、学歴を気にしすぎる人はどこにでもいる。いろんな本を読み、映画を観て、育ってきたと思うのだけど、そこから何も学ばなかったのだろうか。映画や漫画で人種差別をするヒーローがいるだろうか。