玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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尻ざわり

▼おとといの東京西部はマイナス6度だった。布団の中に入っても手足の先が冷え切ったままでなかなか寝付けなかった。今までこんなことはなかった。朝も5時ごろに目が覚めてしまうし、日中も指先が冷え切っているのを感じる。

 

アメリカのジョージア州で、寒さで線路に急所がくっついたアライグマのニュースを見る(YAHOO! JAPAN)。当日はマイナス12度という寒さ。幸い電車が来る前に、鉄道職員がお湯をお尻にかけながらシャベルではがしてあげた。アライグマは無事に森に帰ったという。

 

 

不思議なのは、なぜこの姿勢で線路にまたがってしまったかということ。線路を飛び越えて横切るなら、この姿勢にはならない。このアライグマは普段から常習的にキンタマを冷やしていたのでは。当日、いつものようにタマを冷やそうと思っていたら張りついてしまったのだろうか。電車がいつ来るかも知れず、タマははがれず、アライグマの心中を察すれば絶望的な気持ちになる。私もタマを冷やすときはマイナス12度の日は避けようと固く心に誓った。

 

 

 

▼打ち合わせ終了。ビルから外に出ると、いつもとはレベルが違う寒さだった。肩をすぼめ「寒い寒い」とつぶやくと、隣席のTさんは「こんな寒さ、雪国に比べたら全然ですよ」と曇天を見つめながらいった。つらいことや悲惨なことがあったとき、もっとたいへんな状況と比べる人がいる。たしかに雪国に比べたら、こんな寒さはつらさのうちに入らない。これぐらいで文句をいったら申し訳ないという言い分はわかる。

 

でも、現実に私は寒い。今すぐホカホカの肉まんを食べたいんだ。どうせなら南国の人と比べてほしい。一年中、半袖短パンでマンゴー食べながらのんびり暮らしたいの! と主張してみた。つらそうな人と比べるなら、楽しそうな人と比べたっていいじゃないの。「はいはい、わかりましたから。もう行きますよ」といわれた。以前は、意見に対して意見で返す、ときにこちらをねじ伏せるような鋭い攻撃、屁理屈からの悪口、揚げ足とりなどもみられたものの、最近はまったく相手にされない。のれんに腕押し、糠に釘、豆腐にかすがい、柳に風という手応えのなさで流されていく。

 

どうも「介護」されている感があるな。

 

 

 

▼『ちいかわ』のグッズをお店で見かけて、ついつい買ってしまった。

 

 

か、かわいい‥‥。だが、あらためて見ると中年が身に着けていいデザインではない。やはり物には相応しい年齢というものがある。私が着けると、懲役に行ったほうがいいのではないかと思ってしまう。なので、お世話になっている人たちに「取引先でもらった」といって、ちいかわグッズを配った。みな、喜んでもらってくれた。ただ、24時間くんだけは「ちいかわ、そんなに興味ないんですが。でも、せっかくだからもらいます」ともらっていった。それはべつにかまわないのだ。

 

夜、24時間くんから電話があった。彼はキャバクラにいて、彼についたお姉さんがちいかわのファンで、グッズを上げていいかという確認の電話だった。24時間くんは体育会系のせいか、みょうにきっちりとしたところがある。「気にしないでいいよ。好きな人にもらってもらったほうがいいし」と伝えると安心していた。

 

「そういえば、今キャバクラにいるってことは、あした納期のやつ、もう終わったんだ。助かるなあ」というと、返事がよく聞こえない。何度か訊き返すと「‥‥ません。いや‥‥その、まだまったく手をつけておりません!」と返ってきた。遅れたらぶち殺すからな、という旨をごく丁寧な言い回しで穏便に伝えた。今、包丁を研いでいます。山姥なので。

 

 

 

▼図書館へ。前から気になっていた『葉っぱのぐそをはじめよう』を借りる。

 

 

先週借りたかったが、私の乙女心がカウンターに持っていくのを阻んでしまった。一週間考えたが、この奇妙な本はぜひ読んでみたいという心が勝った。写真付きで葉っぱの使用感が書かれてあり、葉の質、尻ざわり、拭き取り力、それぞれ5段階で評価している。シロタエヒマワリはやわらかい長毛に覆われ、尻ざわり、拭き取り力ともに最高だとか。尻ざわりという言葉、流行らせたい。

 

ちなみに葉の裏にアブラムシがついていることが多く、虫が嫌いな人は気をつけようとのことです。実に学びがある。

 

 

 

▼映画の感想『リトル・シングス』を書きました。デンゼル・ワシントンラミ・マレックジャレッド・レトなどの共演映画。なぜかスターが共演すると、作品自体はあんまりということが多いですね。今回もたしかに‥‥。どうもすっきりしない刑事ものでした。

 

 

 

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