玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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悩み

▼賢いちゃん。前世はノリのいい黒人だったのではないか。 わたしもやりたいなー。

 

 

 

▼耳から血が出ても耳かきをやめられないミミチーちゃんの悩みを聞く。せっかく一生懸命作った手料理を彼がまったく褒めてくれないという。ナハハハハ。悩みが幸せすぎる。さっきまで喫煙所にいたおじさんたちは「実家で引きこもっている兄(45歳)がフィギュアを買うために親の財布から金を抜く」「親が認知症で徘徊している」など、なかなかの悩みだった。それに比べると微笑ましい。

 

だが、周囲から見ればどうしようもない悩みでも、ミミチーちゃんにとっては深刻な悩みなのかもしれない。とりあえず彼を一週間ほど監禁して水だけ与えることを勧めた。空腹は最高のご馳走と申します。腐りかかったご飯でもむさぼり食うはず。解決。上のおじさんたちの悩みは手に負えない。人生は過酷。

 

 

 

▼友人Nがずっとフラッシュモブでのプロポーズについて悪口を言っていた。それはいいのだが、フラッシュモブのことをずっとパワーモブと言い間違えていた。パワーモブって強そうでなかなかいい。「パワーモブでプロポーズする奴なんか、指輪ぶん投げてやればいいんだよ」と怒っていた。断りにくい雰囲気を作るのはずるいかもしれないが、なぜ自分に関係ないのにそこまで。

 

散々怒り終えたところで「パワーモブじゃなくてフラッシュモブ」と指摘したら、ものすごく恥ずかしそうな顔をした。花火が上がった。花火に照らし出された恥じらうおっさんの横顔が目に焼きついて離れない。人は余分な記憶を抱えて生きていく。