玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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昭和は遠くなりにけり

▼考え事をするときエンピツを削ることがある。木を削るシャリシャリという音が集中するのに心地良いのかな。不思議といいアイディアが浮かぶ気がするのだ。耳から血が出ても耳かきがやめられないミミチーちゃんが通り掛かった。わたしがエンピツを削っているのを見ると「エンピツなんて昭和時代かと思った」といわれる。

 

いや、平成生まれでもエンピツは使っていただろうに。あと、なに? 昭和時代て。明治時代みたいにいってくるね。

 

ミミチーちゃんがわたしを昭和時代といったことを2週間たっても憶えている。昭和生まれにはそういうところがある。

 

 

 

▼飲み会。40歳ぐらいの人たちの愚痴を山ほど聞いた。昔のものは良かった的なことを聞くのだけれど、今のものが悪いのではなく、もうその商品やサービスのターゲットから外れているのかもしれない。今の音楽がわからないというけれど、40歳に向けてのものじゃないから、わからなくてもいいのではないか。むしろ、20歳と同じものを喜んでいるというのは成長がないように思う。

 

今のものがわからないというのは2種類あって、ターゲットから外れたというのと、価値観・技術・思想についていけないというどちらかに思える。歳をとると簡単な家電製品すら使えなくなるわけだが、これは勉強し続けていても防げないことなのかなあ。無理に若い人についていくのではなく、40歳には40歳の楽しみがあるんじゃないかしら。愛人と海外旅行に行ってゴルフをやるみたいな。知らんけど。

 

意味がわからなくなるものが出てくるのであれば、代わりにわかるものも出てくるのだろうか。そうだと嬉しい。もし、死ぬことに肯定的な意味を見出すなら、旧世代がわからなかった価値観・技術・思想について新世代は理解できるということかもしれない。平凡な能力しか持たない個人では、時代の新陳代謝に堪えられないように思う。

 

F氏がしきりと「若い奴の考えていることはわからない」と繰り返していた。40歳ともなると、自分より10も20も若い部下を持つようになるし、そりゃ大変だよなあと思ったら違った。部下ではなく上司だった。平成生まれの上司の下で働く40歳のおっさんという。いやあ、無能な部下をお持ちで大変でございますね。

 

 

▼映画の感想「ジェザベル」を書きました。「プリデスティネーション」のサラ・スヌーク主演のホラー。うーん、普通!