玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ガッテン!

▼会社で打ち合わせ。会議室の椅子を並べてベッドを作り、寝ている人がいた。前日から泊まり込みの作業で大変だったのだろう。そばを通ったとき、彼の「ワンランク‥‥、ワンランク上の人間になりたい‥‥」という寝言が聞こえた。斬新な寝言。ワンランク上の人間になれるかはわからないが、ワンランク上の寝言は言っている。

 

 

▼イギリスのEU離脱を決める国民投票が可決された。実際の離脱は2年後だけど、どういったことになるのだろう。イギリスでは、はやくも「離脱しなければ良かった」という雰囲気が出ているらしい。もし逆の結果だったとしたら、やはり「残留しなければ良かった」という雰囲気が出たのだろうか。今のところ為替相場と株価が動いたぐらいで、どんな影響が出るのかはっきりしない。半年ぐらいたたないと何も見えてこないのだろう。

 

閉塞感のある状況では過激な意見が支持されやすい。近頃とみにナショナリズムが加速しているように感じる。民主主義を使いこなすには、あまりにわたしは物を知らない。周囲もたいして知らないように見える。包丁の使い方がわからず、面白がって振り回している子供のような。いつか国民投票によって、国民みずからの手で国を滅ぼすような決断をしてしまうこともあり得る。

 

 

▼気を許すと観てしまうのが「ためしてガッテン」だ。立川志の輔のだみ声に引き込まれるように、ボーっと観てしまう。NHKのサイトを確認したら番組名が「ガッテン!」になっていた。「ためして」がなくなった。ためす気はなくなったのか、志の輔よ。

 

そんでまあ天気予報を観た流れで、なんとなく始まる「ガッテン!」なのだ。テーマはカビだった。お風呂場に発生しやすい黒カビですが、シャワーの温度を50度以上にして5秒間浴びせると死んでしまうらしい。一週間に一度ぐらい、50度のシャワーを浴びせると再発生しづらいとのこと。たった、これだけのことを伝えるのに45分も使う。わたしが年をとったからなのかな、説明がじれったくて待っていられなかった。

年寄りがのんびりしているなんて嘘だ。年寄りというのは先がないわけで、だとするとどんどんせっかちになるのが道理。百歳なんてウルトラ短気である。間違いない。

 

水戸黄門」も、かつては週またぎで前後編をやっていたが、視聴者から要望があって一話完結になったという。たしかに、来週生きている保証などない。突然体調が悪くなって、水戸黄門の続きが気になりながら死んでいくのも嫌だろう。まあでも、水戸黄門だから、気になってもならなくてもいいような。もっとおまえは他に気にすることがないのかと言いたい。

 

なんの話でしたっけ。そうそう「ガッテン!」ですよ。2パターン作ってもいいのではないか。通常バージョン(45分)の「ためしてガッテン」と、年寄りバージョン(5分)の「ためさずガッテン」である。年寄りバージョンは高速ガッテンできる。まあでも、しょせんはガッテンですからね。ガッテンしようがしまいがどうでもいい気がする。そもそも、わたし、ガッテンを観るのが年に一、ニ回ぐらいなんだよなあ。じゃあ、なんでこんなことを書きましたか。