玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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真似る

▼桜が咲いている。下手でも桜だけはなんとなく写真に撮ってしまう。しかし、わたくし、写真を撮らないために生まれてきただけあって、まあ下手である。上手い人の構図をまねて同じように撮っても下手だから感心した。なぜだ。

名作のリメイクとか、アニメや漫画の実写化というものがあるけど、だいたいがオリジナルに及ばない。あれも不思議である。手本があるのになぜ駄作が量産されるのだろう。写真でいえば、構図は同じなのに空気が違うというか。オリジナルが持っている魅力というのは、粗筋だけじゃなくて、実はその空気みたいなものが大事なのではないか。空気こそが作品の魂だったりエネルギーなのかもしれない。ものすごく曖昧なことを書いている。

リメイク作品を作ろうとするときは目の前に成功例がある。その「こうすれば名作になる。お金がもうかる」というのが失敗を生みそうなのだ。実に安易。成功例があってそこに乗っかるという。先日、ある上場企業の創業者の一人に話をうかがう機会があって、そのときに「この会社が大企業だから入りたいという人ばっかりで、なんだかね」とおっしゃっていた。

最初、会社が小さい頃は、面白いことをやりたい人が集まってワイワイやっていたものの、やがては大企業だから入りたいという人で溢れるようになってしまった。そして今の体たらくという。では、今からこの場でその企業名を発表いたします。というわけにもいかんので、書きませんけど。

魂が損なわれたのかもしれない。なんだか書いていることが実におじいちゃんぽくなってまいりました。まあ、わたしも38歳ですし、おじいちゃんぽいことを書いてもいいはず。