玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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わかる

▼「火を通していない食べ物を飲食店が客に提供する場合、料理人は手にビニール手袋をつけるか、トングなどを使用しなければならない」(msn産経ニュース)

先月からカリフォルニア州で施行された州法の話ですけども、これすごいなあ。つまり、板前が寿司を出すときに「へい、お待ち!」って、トングで出してくるわけである。ケンカになるわ。コントではないか。アメリカ人は、なんの違和感もないのかなあ。

以前、変なニュースばかりを集めて公開していたが、あれをもう一度やりたくなる。ああ!変なニュース好きの血が騒ぐ!

ジム・ジャームッシュ監督の「ブロークン・フラワーズ」という映画を観まして、久々にわけがわからなかった。わかるものというのは安定しているし面白いのだけど、わかるんだから観る必要がないとも言える。ちょっとわからないものは新しい価値観を発見できるし、驚きもある。で、全然わからないものというのもある。こういうのを観続けたほうがいいのだろうか。いつかわかる日が来るのかなあ。来ない気もするんだよねえ。

▼「わかる」についてちょっと違う話ですが、日記もわからないままに書き始めることが多い。村上春樹さんが「書く前と書いた後では違う自分になっている」というようなことを仰っていた。この言葉の意味を考えていたのだけど、わかったような気がする。

書く前は、自分が何を書くかわかっていないのだと思う。いや、わかってなければ書けないだろうと思うかもしれませんが、一部分しかわかってなくても書くことはできるんですよね。カップが置いてあったとして、底や裏側がどうなっているかというのはこちらからは見えない。カップを手にとってひっくり返したり、中を見たりすれば全体を把握することができる。その作業が「書きながらわかる」ということではないか。

書き終えた後にはわかっているから「書く前と書いた後で違う自分になっている」のではないか。わかっていることを書くというのは確認作業にすぎない。だから、一部しかわかってないことでも書いてみて、「書きながらわかる」ということに価値があるのだと思う。ということを書きながらわかりました。
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