玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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新年会

▼友人夫婦の家で新年会。山の手線ゲームをした。テーマは「ケンカが強そうな名字」だった。鮫島、鷲津、金剛、鬼頭、剛力、鬼小島など、次々に強そうな名前が挙がっていく。でも、友人夫婦の子ター坊(小学4年)には、このテーマは難しすぎたかもしれない。

困ったター坊は「で、で‥‥、デス山!」と答えた。なにその斬新な名字。日本国籍を取得していない可能性がある。

▼仕事を請けている会社の新年会。一人が重々しく「実は昨年末に離婚しまして」と言い出した。すると、そばにいた男性社員が「実は僕も」と言い出す。二人も年末に離婚していた。新年早々から飛ばすなあ。みんなの酒の肴のために離婚なんて、話題を提供するために離婚なんて、泣かせる話である。あんまりからかうと怒られる。

二人とも「結婚ていいですよ」とか「家に帰るのが楽しみ」などと言っていたが、外に向けていいことを言っている場合のほうが危険なのかもしれない。仕事についても、辞める辞める言っている人が辞めず「充実している」などと言う人があっさり辞めてしまうことがある。

自分の両親や兄弟を自慢する人はあまりいないように思う。思春期の子供などは、両親などは仮想敵国のようなもので、北朝鮮から見た日本とあまり変わらない。つい「鬱陶しいなあ」とか「よその親とトレードしたい」などと言ってしまう。べつに心の底から両親を嫌っているのではなくて、切り離せない関係とわかっているからこそ文句も出る。

だから親をあえて褒めたりもしないし、むしろそんなことをすると「ちょっと気持ち悪い」となる。外に向けて伴侶を褒めるというのは、家族という段階まできておらず、恋人から抜けきってないのだろうか。まだ離れることが可能な他人だからこそ褒めるということもある。

わたしの元上司は、奥さんについて「男が心の奥に大事に育てた秘密の花園を、爆撃機で焼き払う存在」と言っていた。それもどうなんだ。しかし、離婚はしていない。
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