玉川上水日記

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映画「ブレイクアウト」

ブレイクアウト
Trespass / 2011年 / アメリカ / 監督:ジョエル・シュマッカー / サスペンス


ダメな人を見る喜び。
【あらすじ】
家に強盗が入ってきたよ。でも、強盗はドジっ子でした!

【感想】
原題の「Trespass」は「不法侵入」という意味。原題の意味そのままの作品で、強盗が家に押し入ってきて、家の中だけで話が展開します。

ニコラス・ケイジの作品て、かなり出来に幅があるような気がします。「ザ・ロック」「フェイス/オフ」「マッチスティック・メン」「ロード・オブ・ウォー」「キック・アス」などは好きな作品ですが「ハングリー・ラビット」や「NEXT-ネクスト-」は、ちょっと苦手だった。

デンゼル・ワシントンは、出るときに厳しく脚本を選んでいるイメージがある。ある程度、作品の質が保証されているし極端なハズレもない。作品の質が安定している印象がある。だが、ニコラス・ケイジは「金がないから、なんでも出ますけどお!」という雰囲気がプンプンする。そのせいか、作品が玉石混交になって面白い。この作品は、石のほうだな!

やり手ビジネスマンのカイル(ニコラス・ケイジ)、ダイヤモンドを扱うお仕事。黄色のサングラスがうさんくささを倍増させています。奥さんのサラ(ニコール・キッドマン)と娘と豪邸に暮らしているが、ある日、強盗が押し入ってくる。

この映画、アマゾンにしろimdbにしろ、すごく評判が悪いんですね。強盗犯たちと主人公カイルの知恵比べというのはなくて、強盗がものすごくドジでいい加減なのだった。そこがちょっと面白くもあった。

カイルは実は破産直前なのだけど、強盗犯は下調べをしたにもかかわらず、お金があると勘違いして押し入ってしまう。犯人の女は、クローゼットにいい洋服があるので浮かれて着替えたりする。ちょっと!強盗中ですよ!ついでに人質家族のホームビデオを見ながら麻薬をやります。だから、強盗中だというのに‥‥。まじめにやって!

犯人全員にいえるけど、指紋がベタベタつくのもまったく気にしない。人質家族の前で、強盗犯が仲間を呼ぶときにうっかり本名で呼んでしまう。主犯の男は、カイルから「名前を呼ばせるな!」(犯人の名前を知ってしまうと口封じに殺される危険があるため)と怒られてしまう。とんだドジっ子の集まりなのだった。

で、見ていて「ああ、もう!何をやってるんだ。ちゃんとやれよお!」とか「なんて雑な仕事なんだ!」と、ヤキモキする。ふと、この気持ちは何かに似ていると気がついた。以前、鳩山由紀夫元首相が叩かれたときのことを思い出した。ワールドカップやWBCでミスをした選手を叩くのにも似ている。「まったくアイツはダメなやつだ」と言うことは快感の一つなのだろう。「最近の若い者は」も同じだ。マイナスの気持ち良さというか。それはとても醜い感情だが、そこを刺激してくる。

ダメな人たちがダメなことをするのを見てテレビの前で文句を言う、マイナスの喜びを感じました。黒い楽しみ方だなあ。揉めている人たちが見たい!そんな人にはお薦めです。


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