玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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あの頃、輝いて見えたもの

▼「踊る大捜査線」が好きで、当時は毎週ドラマを楽しみにしていました。もう十五年ほど前になるのかもしれない。学生時代か‥‥、こわっ!前世紀の話であるよ‥‥。

踊る大捜査線」のテレビドラマ版最新作「踊る大捜査線 THE LAST TVサラリーマン刑事と最後の難事件」というのを昨晩、観ました。このドラマは、映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」 の宣伝に作られたものだけど、DVDのおまけに入っている番外編みたいな作りだった。各キャラの現在がわかって嬉しいものの、作品として観られるようなものではなかった。

なんだろう、最初から比べるとどんどん駄目になっている。駄目になっているというより、わたしの物の感じ方が変わってきているのか。あらためて最初のドラマシリーズを観るとどう感じるのかな。やっぱり面白いのだろうか。もう一度観たいような、観るのが怖いような。でも、あのドラマはやはり面白かったような気がするのだ。

サラリーマン出身の青島(織田祐二)が新人刑事として成長していく。犯罪と戦いつつ、同時に警察組織の理不尽さとも戦うことになる。組織を変えるということについて、青島も室井(柳葉敏郎)も同じ理想を持ちつつ、それを実現するための手段は異なる。青島は小さな事件を疎かにするのを嫌い、現場からの改革を目指す。室井は上からでないと組織は変えられないと、小さな事件には見向きもせず出世を目指す。

結局、一作目にしてテーマを描ききってしまったのかなと思う。二作目以降は、新人だった青島刑事も警察組織になじんでいるし、上からしか組織は変えられないと言っていた室井も、実はもう組織の一部を変えられるような立場、年齢に達している。一作目を超える作品になれないというのは、組織改革というテーマに変わる新しいテーマを持ち得なかったためかもしれない。

そしてこのテーマを現在も堂々と掲げるには、二人は少し歳をとりすぎたように思う。組織の改革者という立場から、その組織の中心(権力があるかはべつとして)に移動してしまったようにも見える。組織の改革者は、組織にとっての異端児であるべきだが、もう異端児でもないし若くもない。

ただ、この二人が「踊る4」である「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」でどういった最期を迎えるか見届けたい。3で作品の評価は地に落ちたものの、最後の最後で巻き返しはあるのだろうか。99%ないと思うものの、それでも期待したい。ファンてのは厄介である。

で、今、初期作品を見直すとどう感じるのだろう。がっかりするのだろうか。それともどこかに輝きを感じるのだろうか。べつにがっかりしたとして、それでもいいのかもしれない。当時、わたしはそれを面白いと感じたのだし、そういうものを観てきて今の価値観が作られているのだろうから。あの当時、輝いて見えたということで十分なのかもしれない。

老いてるわー。書いていることに元気さがないわー。脱法ハーブをやって、一晩中騒ぎまくるとか、そういう元気さがないわー。

捕まります。