玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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将棋

▼今月はあまり日記を書いていない。書かなきゃ書かないで平気なのだった。日記を書くのが習慣というとなにやら立派に聞こえるが、それも言い方を変えれば「日記中毒」ともいえる。わたしが日記を書かないのも「中毒が治ってよかったね」と声をかけるのが正しいのかもしれません。べつに病気じゃないやい。失敬な。

▼友人夫婦の子ター坊(小学二年)と将棋を指す。

「先手必勝!」と叫び、勢いよく攻めてきたものの、ター坊の仕掛けは明らかに遅かった。どちらかといえば後手であった。先手必勝ならば後手必敗である。先手も後手もわかっていないのだから負ける。こちらは歩三枚で指したのに負ける。で、泣くという。

子どもは意外と簡単に泣く。こんな子どもでも、数年もすれば定石を憶えてきちんと指せるようになるのだからすごい。小さな子と指したとき、3回に1回ぐらいはわざと負けてやるのがいいのだろうか。そのほうが将棋に興味をもってくれそうだけど。

それともあくまで真面目に指すほうがいいのだろうか。だが、対戦相手として尊重するのはもっとレベルが上がってからの話なのだろう。とりあえず1度負けたところ「勝った!勝った!しゅんくん(私のこと)よわーい!」と喜んでいるのでなんだか腹が立った。

「今のは全然本気じゃないから。本気でやったらお前が勝つのに3億年ぐらいかかるわ!」と言いました。凹んでおった。

出てもいない杭を全力で打つ、をお送りしました。性格が悪すぎる。

▼この前は談志が亡くなったばかりというのに、今度は吉本隆明が亡くなってしまった。わからないことを言ってくれる人がまたしても逝ってしまった。ほぼすべて言うことがわかるというのは安心だけど面白くない。丸っきりわからないのはラテン語を読んでいるようなものである。わかる部分もあるし、わからない部分もある。こっちはわかってあっちはわからない。そんな具合がいい。まだまだいろいろなことを教えてほしかった。

悪人正機なんて読みやすくていいんじゃないでしょうか。

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