玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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エイプリルフール

▼4月バカとか、いいかげん飽きた。

エイプリルフールの起源ですが、中世フランスでは毎年3月25日(受胎告知の日とされる)が新年であり、4月1日には春の祭りが開催されていた。しかし、1564年にシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用した。これに反発した人々が 4月1日を「嘘の新年」としバカ騒ぎをはじめた。

これに激怒したシャルル9世は、町で嘘の新年を祝っていた人々を逮捕し、片っ端から処刑してしまう。(wikipedia

どうですか、この逸話。4月1日に嘘をつくとどうなるか。殺される。

嘘をついては駄目な日なのです。この日こそ嘘をつかずにまっとうに過ごしてもよいではないか。と、ここまでいってなんですがこの逸話自体が俗説であり真偽は定かではないのだった。

▼エイプリルフールはどうでもよいのである。

4月1日といえば新入社員の入社式である。お世話になっている会社に顔を出したところ、新入社員の自己紹介が始まる少し前だった。

キュートでシャイな女子社員の自己紹介でも聞こうかなと、通報されそうな笑みを浮かべて楽しみにしていたら、以前の仕事で一緒だったヤマモトさんが近寄ってきた。

「ちょっと聞いてくださいよ~。今年、女子社員の入社ゼロなんですよ~」

えー、そうなんだー。ふーん‥‥。

せっかく眠い目ゴシゴシして来たのに!今日はそれだけのために来たのに!

いや、それだけのために来てない。ちゃんと仕事しに来たけどさあ。

しかし、ヤマモトさん「エイプリルフールです!だまされました?」と叫ぶなら今ですぞ。今をおいて他にない。

さあ、どうぞ!ふるってどうぞ!

‥‥待ってるんだけど、どうやらウソでもなんでもないらしい。いつも遅刻するときはウソばっかりついてるくせに、こういうときだけ本当なんだよなあ。ヤマモトのやつめ、どうしようもない。

なんだか、ああ、もう今日は‥‥帰る。べつに落ち込んでないけど帰る。家で電灯のヒモ相手にシャドーボクシングしてますわ。一日中。

そんで新入社員の自己紹介が始まったのですが、始まるやいなやそこかしこからキーボードを叩く音が聞こえ始めた。いくら興味がないとはいえ、せめて聞くフリでもしたらどうなんだ。君たちの新しい仲間だというのに。これから一緒に頑張っていこうじゃないか。

新入社員の方々はみな優秀そうで早く一緒に仕事がしたいなと思いました。(棒読み)