玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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見舞い

▼先日サービスが始まったオンラインゲーム『ブループロトコル』を相変わらずやっているが、なんだか急速に飽きた。あっちいって敵を何匹倒せとか、この素材を何十個拾えみたいなのがつらい。終わらせた瞬間にまた同じようなクエストが発生し「さっきいってくれれば一度にできたのに二度手間!」と思ってしまう。時給発生せずにやっていることに不条理さを感じる。じゃあ、やめなさいよ。

 

オンラインゲームなのでキャラに好きな衣装を着せることもできる。衣装ガチャもあり、こだわる人はお金をかけて好きな衣装を身に着け、服を染めるアイテムもある。だが、衣装の生地の動きに特別な演算をさせているのか、処理が重くなるらしい。回線を圧迫するのかな。廃人のごとくやり込んでいる上位層は、全裸になってパンツ一丁で高難易度ダンジョンを周回しているというのを聞いた。衣装の意味。

 

このゲーム、独自にビルド組めないのかな。スキルはレベルと共に勝手にあがるし、武器スロットぐらいしか差がないような。イマジンという召喚魔法みたいなのはあるが、あまり極端なビルドが組めず幅が狭い。工夫の余地がないみたいでさびしいぞ。

 

 

 

▼メジャーリーグのエンゼルス×ドジャース戦を観る。両チームともロサンゼルスが本拠地のせいか、ずいぶんと観客が入っていた。日本はチームによって応援席が割り振られている。試合展開によっては観客同士でもめごとが起きることもある。あちらは席の区分がないのか、エンゼルスファンとドジャースファンが一緒に座っているのをよく見かける。敵も味方も混ざっている。「あなたがどこを応援しようが、それはあなたの勝手」ということかな。こういうところはアメリカのとてもいいところに思える。大谷選手が先発し、7回まで1失点12奪三振を奪うすばらしい内容だった。この文句のつけようもない出来で負けるのが面白いところ。

 

 

 

 

▼永六輔さんの本を読む。パーキンソン病と癌で入院していたら、そこに友人のピーコさんがお見舞いにやってくる。ピーコは「風とおしてね」と病室の窓を開け、空気が入れ替わるとまた窓を閉め、永さんには何も声をかけずに帰って行ったという。粋な人だな。

 

重病人の見舞いは難しい。本人は衰えた姿をみられたり、哀れまれるのが嫌で、見舞い自体を拒否する人もいる。私にも重病の家族がいたので、そういう気持ちもわかる。症状によっては話すのも、体を起こすのもつらいことだってある。前日までは調子がよくても、当日は起きているのがつらく、それでも見舞客がくると対応しなければならないと思ってしまう。調子はその日にならなければわからない。患者側は暇だが、それでもいろいろあるものだ。

 

お見舞いというのは本当は患者のためだから、患者の負担になってはならない。見舞客は患者に声をかけたくなるし、話もしたくなる。患者はそのとき元気に対応しても、あとでどっと疲れて2、3日動けないということもある。人が来た時間だけ、無意識に気を張ってしまうのだ。ピーコさんも話をしたかっただろうが、そこをこらえて窓だけ開け閉めして帰っていくというのは、本当にその人を大事に思っていなければできないことに思える。行けば、自分があなたを気にかけているということは伝わるだろう。私にはそういう優しさはまったくなくて反省させられた。優しくなければ生きる資格がないというのは本当だと思う。

 

 

自伝の『ピーコ伝』もよかったですね。

 

 

 

▼映画の感想『PLAN75』を書きました。少子高齢化のため、75歳になったら安楽死が選べる世界になった話。かなりリアル寄りな設定で、話はよくできていますが、げんなりしてしまった。