玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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1/20でよかった

▼蒸し蒸しの9月。梨がおいしい季節になってまいりました。5、6年前まではしょっちゅう梨を食べていたが、物価高騰で今や1個3~400円することもある。3度の食事に気軽に食べられるフルーツではなくなってしまった。今や、梨ではなく「梨様」と呼んでいる。梨様、おいし。次にお会いできるのはいつでしょう。

 

 

▼パワハラ疑惑をめぐる兵庫県知事のニュースをよく見かける。パワハラだけでなく、さまざまな商品をねだったとか、全部一人で持ち帰ったとか、次から次へと出てくる。普通は、多少お世話になった職員がかばうこともありそうだが、これだけ出るということは本当に嫌われていたんだなと感心してしまう。嫌われ過ぎだろうよ。

 

ゴリラ部長について周りが「あの知事に比べれば、これでもずいぶんマシか」と勝手に評価が上がっているのが面白かった。こういう、勝手に評価が上がった上司は世の中にわりといるのではないか。それがあの知事の功績かも。

 

 

▼国産MMOの『ブループロトコル』のサービス終了が発表された。キャラデザインや街の作りは良かったが、こう、なんでしょうねえ、何度も同じことをやらされるのがしんどいというか、いつかはサービス終了するとは思っていたが、予想より早かった。

 

大規模な国産ゲームはなかなか作られにくい状況になっている。中国産がわりと元気な印象。最近だと『Once human』というArkとTPSを足したようなゲームが面白かった。これも最高レベルまであげきってしまえばやることはなく、同じダンジョンを行くことになるのだろうな。根性が不足しているのか、同じことを2度以上やるのが嫌になってしまっている。同じステージを廃人のごとくやり続けることができなくなってしまった。小学生の頃は一生やってられたのにな。もはや、あの頃の私ではないのか。それはそう。ジジイなので。

 

『Once human』は日本語ローカライズがひどく、アホのAIに作らせたようなセリフが多い。なにせ話している最中にキャラの性別が変わる。翻訳アプリにコピペしたものをそのまま張り付けたのだろう。だが、ゲーム自体の出来はそこそこいいというのが面白い。とりあえずやっちまえという、中国のパワーを感じる。Amazonプライムでも中国の映画やドラマが増えた。『三体』というのが面白そう。国の勢いがある。

 

 

▼ずいぶんと久しぶりにボーイスカウトを見た。まだ絶滅していなかったか。私の子供の頃ですら人数が減ってきており、絶滅危惧種という感じだった。まだ活動しているのだな。キスリングという大きなリュックを背負ってよろよろと歩いていた。まるでリュックに背負われているよう。連休に秋季キャンプがあるのかもしれない。そのために鍛えているのかも。

 

ボーイスカウトの三年目、中学二年生のときに一級キャンプというものがあった。いろんな団からスカウトたちが集まり、かなり重い荷物を背負い、何十キロの道を一週間ぐらいかけて歩く。最初こそはしゃいでいたものの、真夏に傾斜がきつい坂道を何時間も歩き続けているとみな無口になってくる。目が死んでくる。

 

フラフラと歩いている私たちを見かねたのか、トラックのおじさんが「乗ってけよ」と荷台に乗せてくれた。おじさんが天使に見えた。思考が麻痺しているので「乗っていいのかな?」とも思わない。迷うことなくウキウキで荷台に乗り込んだ。おじさんは、歩いているスカウトを次々に拾ってきたのか、荷台には十人以上乗っていたと思う。私の隣の子に訊くと、どうやら4キロぐらい運んでもらったらしい。うらやましい。

 

乗せてもらい、ちょっと風を感じたかどうか、せいぜい200メートルも行ったかというぐらいで指導者の人に見つかり、全員トラックから降ろされてしまった。その場に整列させられ、ひどく怒られたのを憶えている。時代が時代だからビンタされたかもしれない。「なんのためにやってるんだ!」といわれたが、いやね、そんなこといわれても楽することしか考えてなんだから。10メートルでも運んでもらえたら、それだけで嬉しいという。

 

ただ、そのとき納得いかなかったのは、私の隣の子は4キロ、私は200メートルしか乗っていない。あのー、だとするとですよ、私は隣の子に比べて1/20の怒られ方でよいのでは? ビンタの痛さも1/20でよいのでは? 普通にぶっ叩かれた。世の中、不条理である。納得がいかない。などと思った。完全に自分が悪いんですけど。ボーイスカウトに関しては、正直なところあまりいい思い出はないのだが、年齢が違ういろんな人と接する貴重な機会だった。みんな、ろくでもない人だった。お元気でしょうか。

 

 

▼映画の感想『ドント・ウォーリー・ダーリン』『港の兄妹』を書きました。『ドント・ウォーリー・ダーリン』はちょっと変わったホラーっぽいSFで好きな作品。『港の兄妹』は社会から見捨てられた障碍者兄妹の話。生々しく、たくましさも感じる話。